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再開2008.11.20 Thursday



 用事を済ませた帰りにお店まで戻ろうとしたその道すがら、トシ・ヨロイズカが工事中だった。以前は気軽にシュークリームを包んでもらった洋菓子店も今では六本木のミッドタウンに店を構える超が付く繁盛店となった。恵比寿のお店も予約制のスペースになり、あの気軽さが失われ、個人的には素直に喜べないのが正直な気持ちであった。

 それから数週間後、知人宅での夕食会に誘ってもらった。もしかしたらあの工事中の意味は?期待を胸にトシ・ヨロイズカへ向かった。。。予想は的中。お店のドアは開かれ、以前のように色とりどりのケーキで飾られたケースが迎えてくれた。真っ白に塗りなおされた壁が印象的お店はスペースが拡張され、通常営業を再開したようだ。子供がいるお宅への訪問だったので、プリンを中心に幾つか包んでもらい、手土産にした。

 その数日後、お店を開ける前に寄って、スタッフの分と合わせてシュークリームを2つ包んでもらった。コーヒーを淹れて、一緒に頂いた。注文してからクリームを詰めてくれるスタイルも変わっていない。サクサクのシューに甘さ控えめのクリームもやっぱり美味しかった。
 これでやっと成功を素直に喜べるようになった。ご馳走様です。

Toshi Yoroizuka
渋谷区恵比寿1-32-6

Atelier September2008.11.09 Sunday



 デンマーク2日目、前日のどんよりとした雲は消え、この季節では珍しくすっきりと晴れ渡った空だった。そしてその晴天に背中を押されるようにコペンハーゲンの街へ繰り出した。 その前日、旅の前にデンマークのハーフであるLenaから紹介してもらっていたコペンハーゲンで暮らす友人夫婦と会って、一緒に食事をしていた。彼らとは共通する趣味も多く、初めて会ったとは思えないほど親しくなった。そしてその場で持ち合わせていたマップにお勧めのお店をマーキングでしてもらった。そのマップを頼りにジュエリーショップ、ギャラリー、インテリアショップ、ミュージアムなどマップ上をホテルから近い順で最短距離で進むことにした。前日に趣味が近いと思っていた彼らのセレクトはばっちりツボを付いており、次へ次へと期待を膨らませつつ先を急がせた。そしてその道中に見つけた面白そうなお店に立ち寄るのも知らない街を歩く醍醐味として楽しんだ。その中のひとつ、お勧めのジュエリーショップの隣にあったアンティークショップが素晴らしかった。いや、素晴らしかったであろう、という表現が正しい。その日は生憎、定休日。窓から覗くだけにとどまってしまったが、朽ちたテーブルやミラー、凛とした空気の漂う素朴なガラスの花器、それらにミッドセンチュリーの家具をさらりと合わせて、センスの光るお店だっただけに後悔が残る。実際に訪れることが出来なかったせいもあるだろうか、今回のコペンハーゲンでナンバーワンのお店として挙げたい。

 日本に戻ってマップを作ってくれた友人夫婦にお礼のメールとともにそのことを伝えると、そのお店はコペンハーゲンで初めてフランスのアンティークを扱い始めたパイオニア的な場所だという返事だった。そんなことを聞いたら益々後悔が膨れ上がるではないか。お店の外から撮った写真とにらめっこを繰り返すが、まぁ、もう一度デンマークに行く理由がひとつ増えたと思ったら期待が後悔を消してくれた。

ATERIER SEPTEMBER
GOTHERGATE 30 / DK-1123 COPENHAGEN

German Bicycle2008.11.02 Sunday



 ドイツと言えばMercedes-Benz、BMWなどがあるが、黄色いコイツも凄いメカに違いない。
 繁華街のど真ん中に堂々と鎮座していた。

Palais Royal2008.10.31 Friday



 パリから友人に電話をかけてみた。その友人は転勤でロンドンに行き、ちょうど僕がパリにいるときに彼もパリに出張で来ていると聞いていたからである。日本ではなかなか会えない、いやそう思い込んでいるだけだが、、、さらに会おうと思えばロンドンで会えたであろうに、わざわざパリでなんて、少々複雑な気分ではあったが旅先では無性に友達が恋しくなるのか、定かではないが電話の声に心休まれたのは事実である。

 とにかく分かりやすい場所でということでルーブル美術館で待ち合わせをし、久しぶりの再会を果たす。お互いに夕方までの2時間ほどは予定が無かったので近くでお茶でもしようということになった。このエリアは前日に来たエリアだった。昨日ランチの候補になったがスケジュールの都合もあり断念した素敵なカフェのことが忘れられ無かったのでそこに行こうと誘った。ルーブルから北へ少し進んだ先、パレ・ロワイヤルの庭園の中にあるカフェである。庭園に入ると中央には大きな噴水があり、その日は土曜日だったこともあってか家族連れでにぎわっていた。庭園をぐるりと囲うように古い建物が建ち、昔からあるようなアンティークショップや事務所、カフェやレストランに混じってピエール・アルディ、マーク・ジェイコブスなどのオシャレなショップが軒を連ねる。新旧が混ざり、外の喧騒から隔離され、ゆっくりとした時間が流れるそんな雰囲気がなによりも心地よかった。そんな環境の中、久しぶりの友人との話は尽きることがない。話は盛り上がり「もしパリにお店を持てるとしたらココだ」と大きな事を言ったりしてみた。そこで飲んだカフェラテは何割か増しで美味かった気がしている。

 時間になって友人はユーロスターに乗ってロンドンに戻らなくていけない。近くの駅までおくり、またどこかでの再会を誓う。そして僕はもう一度パレ・ロワイヤルを堪能するために戻った。いつか出せるだろうか?SOURCE at Palais Royal。空想だけが先走っている。

Paris2008.10.24 Friday



 コペンハーゲン、ロンドン、パリ、ベルリン、そして最後にほんの少しだけ国境の町マルメ(スウェーデン)へ。2週間の旅はこうして書き綴っただけでも前菜からデザートまでのフルコース、まるでそんな旅だった。日本に戻った今、そう思い返している。

 今回は北欧を中心に古いモノを買い付けに行く友人とパリまでを一緒に巡った。男ふたり旅である。北欧を縄張にする友人、そしてパリ初体験の自分。仕事もあるのだが、要所要所での観光気分を味わいたいと思うのは当然であろう。友人が事前に調べてくれたいた美術館musee de quai Branly(ケ・ブランリ美術館)で民藝を題材にした特別展がやっていると聞いていた。現地でさらに調べてみるとちょうどその日は夜9時までオープンしていることが分かった。午後6時にはほとんどのお店が閉まってしまうパリなので、その後空いた時間を使って行って見ることにした。地下鉄を乗り継いで目的の駅の出口を出た途端予想もしていない光景にため息が出た。地上に出てみると目の前にはセーヌ川に陽が沈もうとしており、微かな光りがエッフェル塔を照らしていた。旅の前に別の友人にパリへ行くと話したときに、「仕事で行く場所じゃない」と一喝されたのを思い出した。なんともロマンティックなパリスだろうか。隣のカップルたちに負けずとちゃっかりお互いの記念写真を取り合ってから美術館に向かった。

 本題の美術館はというと、特別展以上に2階部分の常設展が素晴らしかった。世界各国の民芸品が広い会場にかなりの数量で展示されている。閉館が近かったこともあったのでじっくりは見れなかったが十分堪能した。ゆっくり見れないかもしれないが、行くならば夕方がお勧めである。なるべく男女で。

Face To Face2008.10.16 Thursday



 気がつけばお店を始めて3年が過ぎ、4年目に入っている。昔を振り返るとお店を始めた当初は本も扱っていたのを思い出す。その頃取り扱っていた本の中に「Face To Face」というタイトルのものがあり、強く印象に残っている。それはある写真家(名前までは覚えていない)が顔でないのに顔に見えるものを撮りため、集めた本である。それを知ったきっかけはペンタグラムというデザイングループが作っていた「Pentagram Papers」というフリーペーパーのようなモノのひとつの号で特集されていたのを見かけたからだった。確か自分の本棚にも1冊あった気がするが、このところページを開いていない。

 突然だが、ロンドンに来ている。レストランのトイレで手を洗おうとし、蛇口に手をかけようとしたとき、その蛇口が顔に見えた。濡れた手を急いで拭い、席に戻りカメラを手にして再びトイレに駆け込んだ。ロンドンに住んでいる人にはそれが顔に映るかは定かではないが、自分にとっては明らかに顔でしかなかった。ここロンドンでロンドンの住人には何気ないモノ、でも自分には特別なモノ、そんな出会いに恵まれることを願いつつ、街を巡っている。

 戻ったら本棚の「Face To Face」をもう一度じっくり見たいと思っている。

Chicken Rice2008.10.02 Thursday



 香港に行っていた。9月中旬にアジアで最大級のジュエリーの展示会が行われ、それが一番の目的だった。大きな会場を隅々まで見て回り、ジュエリーやら石やらパーツやら、まさにトレジャーハンティング。結局3日を費やした。

 仕事で来たのではあるが、折角の香港、しかも初めての香港。百万ドルの夜景にショッピング天国と聞く。空いた時間を利用してちょっとは観光気分も味わいたいではないか、知人のお勧めや持ち込んだガイドブックを参考にアドベンチャー。と、その前にまずは腹ごしらえを。香港でのランチにはチキンライスが良いと聞いていた。確かにガイドブックにもそう書いてあり、その横には小さな写真ながら丸く盛り上がった黄色い食べ物が載っている。オムライスのようなモノなのだろうか?だとしたらなぜ香港で…不思議に思っていた。お勧めはマンダリンオリエンタルのカフェで食べられるモノだと聞く。マンダリンオリエンタルは展示会場からすぐの場所にあったので、その日は展示会を早めに切り上げて、遅めのランチをそこで取ることにした。

 目指すカフェ・クリッパーラウンジは2階のロフトスペースにあった。到着したのは2時過ぎ、それ以前まではバイキング形式だったのか、スタッフが片づけをしていた。曖昧な時間だったためか、お客さんは少ない。窓際の席に案内され、メニューに目を通すとすぐにチキンライスは見つかった。迷わずそれを注文する。お茶を飲みつつ待つこと5分ほど、大きな黒いプレートに綺麗に配列されたチキンライスなるモノが運ばれてきて驚いた。自分の思っていたオムライスとは違い、チキンとご飯、そしてスープ。蒸し鶏定食という言い方が分かりやすいだろうか。 いい意味で裏切られた。こちらの方が好みのスタイルである。空腹に輪をかけて、食欲をそそる。蒸したモモ肉を黒っぽいソースに付けて口に運ぶ。肉は柔らかい、そしてそのソースの味付けが日本人好みである。オイスターソースのようなしっかりとした味は自然と箸をご飯へ向かわせる。肉が口にあるうちに山型に盛られた茶碗からご飯を口に運ぶ。こちらはハーブを利かせたような薄い味付けでこれもチキンとそのソースにピッタリである。

 その後いろいろ香港料理を試したが、後に先にもこれを超えるモノは無かった。
 個人的香港の三ツ星レストラン。☆☆☆

CLIPPER LOUNGE at Mandarin Oriental Hong Kong

DWELL Playmountain2008.09.22 Monday



 知人が先導してくれている車について鹿児島市内を走っていると西郷隆盛の巨大な銅像が左手に見えてきた。付いて行くことに気を集中していたせいか、それを見た途端に「ここは鹿児島だった。」と我に返る。西郷さんの目の前を右に曲がり、程なく走った先に目指す「DWELL Playmountain」があった。もうすっかり日が落ちてしまっていたが、暗い中に浮かぶ石畳の大きな建物が確認でき、まずはその存在感に驚かされた。

 鹿児島に行った一番の目的は知人が春にオープンしたお店「DWELL Playmountain」を訪れることだった。エントランスの大きな扉を抜けると右に喫茶スペースがあり、その左に雑貨を販売するスペースがあった。展示スペースには東京のPlaymountainでもある見覚えのあるアイテムに混じって、竹篭、木工の器など鹿児島ならではのアイテムが並ぶ。そして同じようにカフェスペースでも鹿児島の菓子やメニューなど、同じく東京の「Tas Yard」とは違ったものが見られた。建物の一番左には大きな階段があり、2階へと続いている。2階に上がる手前には子供服やおもちゃがキュートにお出迎え。そして2階へ上がると3mはあろうかと言う大きな無垢材を石臼に上に載せた立派なテーブルがあり、アフリカのバスケットやキャンバスのバックが所狭しと並ぶ。その奥には長いパイプに洗いの効いたデニムやシャツなどカジュアルな装いにピッタリの洋服たちが掛けられていた。さらに、その1階から吹き抜けになったロフト状の2階の大半部分には家具がディスプレイされ、Playmountainの家具を製作しているFactoryがある鹿児島ならではであろう、ショールームのようになり、その場で注文やカスタムオーダーの相談ができるようになっていた。

 後から知ったことだったが、DWELLとは英語で「住まう」という意味らしい。「衣・食・住」、すべてを通した鹿児島ならではの住まい方は東京に住む自分にとって羨ましい限りである。2階に鎮座した大きなベット、いつかあんなベットが欲しい、後ろ髪を引かれて帰ってきた。

DWELL Playmountain
鹿児島県鹿児島市住吉町7-1

熊本・人吉2008.09.15 Monday



 連休をもらい鹿児島に行っていた。ちょうどロサンゼルスから数人の友人が来ていて、彼らを今年の春故郷である鹿児島にお店を出した知人が案内するというので、それに便乗しない手はない。そんな訳で一路鹿児島空港へ。
 
 彼らより一日遅れて鹿児島に到着した僕はレンタカーを借り、空港で合流することに。そこに現れた年代モノの(1960年代ものらしい)のランドクルーザー。黒い車体に特徴的なバックサイドの湾曲したガラス窓がなんとも美しい。挨拶もそこそこに「とりあえずついて来て。」と言われるがまま、その後姿を見ながら追走する。空港を後にし、すぐさま高速道路に入り、山間の道を進む。ズンズン進むも、なかなか止まる気配がない、それどころか看板には「宮崎」のサインが。そしてさらに「熊本」のサインまで出てきた。さてはて、どこいいくのだろう。そろそろ不安を感じ始めてた矢先、人吉インターの手前でランクルの左ウィンカーが点滅した。
 
 自分の事前情報には熊本ももちろん人吉も入っていなかった。と言うか忘れていたのであった。そこには日本でも指折りの素晴らしい民藝店があると以前に聞いたことあった。人吉の商店街、残念ながらシャッターの閉まったお店が多いのだが、その通りに「魚座」がある。陶器、ガラス、竹細工、紙、日本各地の民藝品を始め、オランダの陶器、アフリカの仮面、アジアの鉄細工などその品揃えは多岐にわたっているいるものの、それだからこそだろう、審美眼のようなものを感じられ、感動する。

 火照った体のまま、次の場所へ徒歩で移動。商店街から反れ、少し進むといい匂いが漂ってきた。ウナギである。旅の始まりには打ってつけのスタミナ食ではないか。老舗なのだろうか、中に入るといかにも古そうな佇まいに、まさしくウナギの寝床のように奥へ奥へと続いている。そしてほぼ突き当たりの一室に案内された。店名の通りウナギ料理だけが並ぶメニューの中から皆王道のうな重を注文し、さらに気を利かせた知人が「骨せん」を注文してくれた。まずはウナギの骨を揚げた「骨せん」が出され、それをつまみに、ビール。と行きたいところだが、ここはお茶で我慢する。骨せんが底をついてどれほど経っただろうか、ゆうに1時間を越えているかと思う。そしてやっとうな重が運ばれてきた。もう腹ペコである。蓋を開けるが早いか、お箸が進む。天然のウナギと言うのがココのひとつの売りらしい。肉厚なウナギはふっくら柔らか、薄い味付けだがウナギ本来の味も助けてか、下の白飯も進む。大げさではなく、今まで食べたウナギの中で一番の味である。待ったかいがあるものだ。

 幸先良い旅の始まりである。

魚座
熊本県人吉市九日町41

うなぎ料理専門の店 うえむら
熊本県人吉市紺屋町129

POOL2008.09.09 Tuesday



 夏休みも終わり、9月になった。この前まで子供たちと競って泳いだプールも静かになった。これからはトンボだけが水上を楽しそうに飛び回るだけだろうか。

 そんなプールを横目に見ながら、平野太呂さんの「POOL」を思い出していた。