dosa in tokyo2007.11.16 Friday



 ロサンゼルスのダウンタウンエリアは山側、海側、四方八方から何本ものハイウェイが入り込んでいて、何度行っても慣れない。幾分前傾姿勢の運転にハンドルを握る手も汗ばむ。なんとか目的の出口を見つけ逃げるようにハイウェイを降り、背の高いビル群の隙間を縫うように目的地に向かう。ブロードウェイ通りはこのエリアの中でも幅が広く目抜き通りのような存在だろう。通りの両側にはお土産屋さんが立ち並び、観光地のような様子だ。その繁華街を抜けた先、古いビルの最上階にdosaはある。訪れた当日はdosaとバークレイのレストラン、シェイ・パニーズによるイベントを開催していたため、僕のdosa好きを知っている友人が気を利かせて誘ってくれたのだった。約束の時間に遅れてしまっていたので、彼らとは現地集合にしていた。ビルのエントランスに着くとプロレスラー顔負けの警備員がいて、ドキッとするも「dosa?」と言われ、うなずき、すんなり中へ通してもらった。きっと優しい人なのだろうが、体格の良いアメリカ人にも慣れないものだ。いざエスカレーターで最上階へ。
 ビルのワンフロアー全体がdosaのショールームになっていて、すでに多くのお客さんたちで賑わっていた。広いスペースに点々と置かれたハンガーラックに洋服が掛けられ、インドで作っているであろうショールがアンティークの棚に置かれ、アフリカのかごやデコレーションされた花がテーブルにディスプレイされていた。そして奥には膝の高さほどの長いテーブルに陶器、ガラス、石、紙、木、布、本などが整然と並べられていた。それはデザイナーのクリスティーナの頭の中を垣間見る、そんな気分にさせてくれるインスタレーション。そして一番奥にキッチンがあり、そのカウンターでシェイ・パニーズが作った料理が味わえるという素敵なコラボレーション。シェイ・パニーズの料理に舌鼓を打ちつつ、dosaの世界に触れる。その場を離れたくないと思わせる心地よい演出を堪能しつつ、男子の僕には買える洋服がないのだけが残念でならない。その場にはクリスティーナもいて、dosaのシャツとスカートに合わせたrepettoのシルバーのバレーシューズが印象的だった。

以下、dosa in Los Angeles 2007.9.16











 日本に戻って2カ月程が過ぎ、先日青山のdisplayで開催中のdosaのイベントにも行ってきた。こうして日本でも彼女のインスタレーションが見られるのは嬉しい。
 なんだかdosaの追っかけのような状態になっている自分に照れくさくもあるものの、やっぱり好きなものは好き。これからも胸を張って追っかけたいと思っている。

Dream room by dosa
at display
東京都港区南青山5-3-8

YEN2007.10.23 Tuesday



 ファッションやインテリアに関して舶来モノ好きである自分にとって「日本製」と書かれたものには敏感に拒否反応を示していた若かりし時代があった。未だに舶来モノ好きは変わらないものの、年を重ね、30に近づいた頃からだろうか、ようやくそんな意固地な自分の殻を破ることができるようになってきた気がする。ただ、まだまだ初心者の域を脱しない訳だし、出来れば古今東西をうまくミックスして楽しみたいと思っている。
 先日コレックス・リビングで開催中のYEN WAREの展示会に行ってきた。何年か前からYEN WAREのお茶碗を愛用させてもらっている。伊賀焼のようなざらついた陶器に厚めの釉薬が乗り、外側は途中まででその釉薬が止められ、持った時にそのザラザラ感とベージュの厚い釉薬の質感が特徴的で、また見た目にもシンプルで気に入っている。今回の展示でもその特徴を生かしたアイテムが多く、早速物欲が沸々と湧きあがり目移りしてしまう。その中でもブルーの釉薬のものが目に留まった。ブルーのものが幾つかあるようだけれども、そのどれもが微妙に薄かったり、濃かったり、紫だったり、模様のような変化があったりと同じように見えなかった。ちょうど作られているNさんがいらしたので気になって聞いてみると、同じ釉薬を使っているけれども、同じ仕上がりにならないということだった。自然にそうなってしまう、その手のことには興味津々の自分。「そうなんですか、、、」と聞いているそばから、どれにしようか、ますます気持ちが高ぶってしまった。そしていくつかある中から薄いブルーの深皿をいただいた。
 家に帰って眺めてみると、どこか自分好みな北欧の陶器にある釉薬のように見えてくる。日本からヨーロッパに伝わったと聞く陶器の歴史、そして自分としては北欧陶器が好きになり、日本の陶器にも関心を広めて、いやはや遠回りをしたものだ。さて、今年の鍋にはこの深皿とアラビア(フィンランド製)の器と一緒に食卓を囲むのだ楽しみだ。

YEN WARE 深皿 ¥2,310-
yen ware exhibition 07
2007.10.18 (thu) - 10.28 (sun)
at collexLIVING

Motel 6 in Lost Hills2007.10.08 Monday



 目が覚めたのは6時半。6時に起きるつもりが、、、前日遅くまでドライブし、目覚ましもセットせずそのまま倒れこんでしまったせいだ。自分の常宿と勝手に決め込んでいるのがここLost HillsのMotel 6。ロサンゼルスから約230キロ、夕方ロサンゼルスを出発し、夜が更ける前には到着できるロケーションにあって、いつ行っても予約なしで泊まれ、部屋の入り口前に車を止められるから荷物の出し入れも楽ちん。さらに部屋も広くて清潔と、とっても心地よい宿。しかしあいにく前日の道中大きな渋滞に出くわし(事故だったに違いない)1時間ほど立ち往生、常宿に着いたのはかなり遅い時間になってしまった。だから寝坊してしまったのだ、というのがひとつの言い訳。そしてあまりに静かな周りの環境もそうさせたのだ、というのがもうひとつの言い訳。夜に到着すると暗くて分からないものの、朝目覚めると何もないLost Hillsに驚く。ガソリンスタンド、モーテル、そしてファーストフード店が何件かあるだけで、あとは見渡す限り地平線が広がる。ロサンゼルスを出る前に、知人たちに今日はどこに泊まるんだと聞かれ、「Lost Hills」と答えると、みんな口をそろえて「Nothing!」と言う。確かに何もないのだけれど、僕たち日本人にとってはそれがかえって新鮮だったりする。サマータイムの6時半、ちょうど美しい日の出の時間だった。綺麗な朝焼けは寝坊のおかげ?と勘違いしてみたりする。さあ、残り400キロ、一路サンフランシスコへ。

Rose Bowl Flea Market2007.10.05 Friday



 ロサンゼルス2日目は早朝4時半起き。いつもならば絶対に起きれないはずが時差ボケのおかげか?単純に興奮しているからか?意外に寝起きの良いこと。急いでチェックアウトを済まし、一路パサディナへ。 20分くらいのドライブで目的地のローズボールに到着。ロサンゼルスの第二日曜日といえば、ローズボール・フリーマーケット。ローズボールとはアメリカンフットボールのスタジアムでその駐車場が1日巨大なフリーマーケット(Flea Market-蚤の市)になるという訳。まだ暗い5時半前に到着するもすでに結構な人、人、急ぎ足でゲートに向かい、まだトラックから積み下ろしをしている人の荷台に何かないかと群がる。それがローズボール5時代の楽しみ(?)。いきなりグラスホッパー・チェアーを発見した!と思ったら、おじさんに「もう売れた」とあっさり。まだ5時半だけど何時に売れたの?!恐るべし。この時間帯は家具屋時代に戻ったように自分も若返って、自然と歩くスピードも速まる。 今回は特にヴィンテージのジュエリーを探そうと思っていたので、陽が昇った頃からは(それでもまだ6時頃だけど)それらしいケースがある場所を見つけては、駆けつけて、じぃーと覗き込んで、また次へといった具合に。そんな中ひとつ、またひとつと掘り出し物を見つける。そしてその度ごとに真剣勝負の交渉。おかげで今の時代にはない、面白いモノが見つかったのではないかと。その他、お店のディスプレイに使えそうな古い鏡やら、道具やらと、なかなかの収穫。


Rose Bowl Flea Marketの収穫
Vintage Rings ¥2,625-から¥16,800-

 広い会場を何度も往復し、昼過ぎ頃には見つくした満足感と、同時に足もパンパンに満たされる。そろそろ切り上げてまたロサンゼルス市内に戻る。ちょっと街中の物色して、夕方のラッシュが始まる前にサンフランシスコに向けて出発。今日は行けるところまでドライブすることに。そのドライブの最中、どうも首がヒリヒリする。日焼けをしたらしい。それは旅の間中、ヒリヒリし続け、帰国して涼しくなった今では、夏休み明けの小学生のようにくっきり線が付いている。まあ、勲章と思おうか。

Eames Office2007.09.30 Sunday



 買い付け初日。ロサンゼルス空港(通称LAX。なんかこれだけでアメリカって感じに聞こえてしまう。)に到着。あまりに青い空が自分を歓迎してくれているのではないかと、勘違いかもしれないが、おかげで気分は高まる。早速レンタカーをピックアップし、いざ出発。
 車に慣れるためにも今日はゆっくりと友人たちのお店を挨拶回りする予定にしていた。まずは空港から20分ほどで行けるVenice(ヴェニス)に。目抜き通りとなるAbott Kinney Blvd.(アボットキニー・ブルーバード)は土曜日ということもあってか、車を止めるにも一苦労。1年ぶりだったけれども通りの両側にはお店がひしめきあい、初めて目にするお店もチラホラ。なんとか駐車して、友人のお店Tortoiseへ。Tortoiseは日本人夫婦の営む、日本のプロダクトを中心に扱うお店。日本に暮らす僕も初めて目にするような素晴らしいモノがあって、久しぶりの再会だったけれども、挨拶もそこそこに店内が気になる。一通り気分が落ち着いたところで、近況報告をする。やっぱりこのところアボットキニーは益々その株をあげているらしい。そのおかげでいろいろと面白いお店も増えているけれども、同時に家賃が上がって、なくなく出ていかなくてはいけないお店もあるのだとか。アボットキニーにすぐ脇にはその昔、チャールズ&レイ・イームズのオフィスがあった。そして今もその建物だけはあり、当時のまま「901」の文字が残っている。イームズ夫妻は僕にとってヒーロー。買い付けのたびにそこを訪れるのが恒例となっていた。しかし最近その場所にホテルができる計画があるのだと聞く。時代の流れもあるだろうが、心の底から寂しい。今度来る時もあってほしいと願いつつ、もしかしたら最後になってしまうかもしれない写真を撮り、その場を後にする。
 その後いくつかお店を回って、夕方には時差ボケで体がふわふわする。翌日の予定もあるので、さっと夕食を済まし、早めにホテルにチャックイン。なんとかシャワーを浴び、泥のように寝る。1日目終了。

車事情2007.09.24 Monday



 東京でほとんど車を運転する機会のない自分にとって、アメリカ西海岸での買い付けが1年で最も車が身近な存在となる。今回の旅でもロサンゼルス・サンフランシスコを往復、さらに郊外へのドライブ、とかなりの移動距離となった。そして何度も給油した。。。その度に、アメリカでのガソリン価格の高騰が気になった。(もちろん日本もですが)
 カリフォルニアでは1ガロンで3ドル弱。1ガロンが3.78リットルということだから。計算すると、、、¥95/1リットルくらいだ。日本に比べると安いものの、車社会のアメリカにとっては深刻な問題のようである。そんなことを気にしていたせいもあるのだろうが、今回はいつもに増してハイブリット車が目についた。特にTOYOTAのPRIUSはアメリカでも人気らしい。交差点で2台並んだプリウスを見かける光景も珍しくなかった。1リットルで3キロや5キロ程度しか走らないクラシックカーもかっこいいだろうが、1リットルで20キロも走ると言われるハイブリット車に興味が湧くのは当然だろう。さらにロサンゼルスに住む友人から聞くところによると、ハリウッドやビバリーヒルズに住むような人々にとって、1000万円を超えるメルセデスやBMWを乗ることと、環境に優しいエコなプリウスに乗ることが同じようなステイタスと感じているらしい。もしかしたら、それを以上のなのだとか。確かに去年だったか、アカデミーショーにかけつけた役者がエコカーから降りてくるのシーンを見たのが思い出される。さらにロサンゼルスのハイウェーにあるカープール・レーン。これは1台の車に2人以上乗っている車だけが走ることの許された車線なのだが、ハイブリットカーはそこを1人で乗っていても走ることができるようになったらしい。渋滞の激しいロサンゼルスにおいてハイブリットカーは益々人気に拍車がかかりそうだ。
 日本に戻り、残暑の厳しい東京。地球温暖化こそ深刻な問題だ。ステイタスや金銭面以上にまずはそこから考えねば、本気で。

Come Back!2007.09.20 Thursday



久しぶりの更新で何から書いて良いやら。。。

その間ロサンゼルスとサンフランシスコ、買い付けの旅に行っておりました。
カラッとした空気、高い太陽、ロングドライブ、フレンチフライ、、、何から書いて良いやら。。。

ニューヨークに移り住んでもうすぐ1年。予定を延ばしてオークランドのスタジオに残ってくれていたので会うことができたメリッサ。スタジオを案内してくれる最中に見つけたリングやピアスになる前の金線。これがああなるんだとしばし関心。。。その後オークランドでランチをして、この日の夕方にニューヨークに戻る彼女から注文していたアイテムを受け取り、また今度はニューヨークでの再開を誓って別れる。

旅のヒトコマ。
また成果を少しづつ綴っていきたいと思います。

Little Press2007.07.14 Saturday



 何年か前にイタリアのデザイナー、ブルーノ・ムナリの「読めない絵本」に出会った。緑の印刷が印象的な紙が、まるでお弁当の包みのように四方から折り紙状にたたまれたケース。それを開くと正方形の印刷物が現れる。表紙をめくると赤と白の楽しい世界がはじまる。ページは2色に色分けされ、それぞれ違った形に切り取られている。だからページを開くと先のページまで見え、それが模様のように浮き上がる。ページをめくる毎に驚きがある本。
 「読めない絵本」、それは文字がないから、ホントのタイトルは「感じる絵本」でも良いのかも?字も読めない、ましては話も聞き取れない赤ちゃんが初めて楽しめる本だろう。もちろん僕たち大人もいくつになっても楽しめる。ムナリは天才だ!

 そんな天才を真似て、僕も小さな本を作ってみました。足もとにも及ばない仕上がりではありますが、楽しんでいただけたらと思います。今日からCOW BOOKS南青山店で開催中の「Little Press Fair」で見ることができます。他にもいろいろな方が思考を凝らした本を出品しているようです。是非出かけてみてください。

Little Press Fair 7/14-8/5
COW BOOKS 南青山
東京都港区南青山3-13-14-2F Dragonfly CAFE南青山

※探してみたら「読めない絵本」を紹介しているページを見つけました。
Illeggibile Quadrat-Print / Bruno Munari

芋焼酎2007.07.09 Monday



 友人と食事をしようと近所の居酒屋に集合。ちょっと遅れた僕は「とりあえずビールで」 天ぷら、お刺身、お通しの冬瓜も、美味いものとお酒は楽しい話をさらに盛り上げ、至福の時間が流れる。ビールが少なくなるころから、友人のグラスが気になっていた。梅雨のじめっとした空気のせいだろうか、丸い大粒の水滴がグラスをびっしりと覆い、氷と無色透明の液体が喉を鳴らす。普段はビールばかり、これと決めたら同じものばかりを頼んでしまう自分の悪い癖を突く。またには。。。 慣れない芋焼酎の欄に目を通し、ビギナーらしく聞き覚えのある銘柄を水割りでいただく。美味い! 結局何杯か同じものをいただいてその日は家路に就いた。
 翌日は久しぶりに別の友人たちが集まった。集まった11人の半分以上は7月生まれ。めでたい合同誕生会。僕は冬生まれなので今回はお祝い側。「Happy Birthday, friends!」 今日はすっかり芋焼酎ベテラン気取り。賑わう店内は少し暑く、キーンと冷えた水割りが昨日に増してしみ込む。遅咲きながら、この夏は焼酎水割りにはまりそうだと確信する。そして自分もひとつ年を重ねた錯覚を味わう。

※その後、場所を変えビールを。すると翌日二日酔い。。。
ちゃんぽんは良くないようで、、、まだまだビギナーだったようだ。

MICHEAL BOYD2007.06.19 Tuesday



 ロサンゼルスの友人のお店Tortoiseで話をしていたとき、そこに体格の良い白人男性が現れ、友人が親しげに話しだした。どうも常連らしい。彼が帰った後に友人は、彼がマイケル・ボイドだと教えてくれた。マイケル・ボイドはモダンファーニチャーのコレクターとしてその名前は知っていた。その彼が近くに住んでいるようで、最近オスカー・二―マイヤーが設計したという家を購入したのだとか。それは行ってみたい! いつか一緒に連れてってくれると快く引き受けてくれた。そしてそれから2年ほど経ってしまったが、なかなか都合が付かず、残念ながらいまだに行けていなかった。

 先日、最新号のVOGUEがインド特集を組んでいたので、次回の買い付けの参考にと買って、読んでいた。雑誌も後半、インド特集は終わり、何気なくページをめくっていると、ミュージアムかと思うほど珍しい家具ばかりが並んだ部屋の写真に手が止まった。それはマイケル・ボイドの自邸だった。それはそれは圧巻。ジャン・プルーヴェ、ジョージ・ネルソン、ジオ・ポンティ、そしてドナルド・ジャッドなどなど世界の名品と言われる家具、オブジェが並び、そしてそれにアフリカの民芸品が添えられて、隅々まで心憎い。
 今度ロサンゼルスに行くときは必ず連れて行ってもらおうと、勝手に決めた。

 お店に彼のコレクションを集めた本があるのを思い出し、もう一度見直してみた。やっぱりミッドセンチュリーのデザインは美しい。

SITTING ON THE EDGE ¥9,240-