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Chicken Rice2008.10.02 Thursday



 香港に行っていた。9月中旬にアジアで最大級のジュエリーの展示会が行われ、それが一番の目的だった。大きな会場を隅々まで見て回り、ジュエリーやら石やらパーツやら、まさにトレジャーハンティング。結局3日を費やした。

 仕事で来たのではあるが、折角の香港、しかも初めての香港。百万ドルの夜景にショッピング天国と聞く。空いた時間を利用してちょっとは観光気分も味わいたいではないか、知人のお勧めや持ち込んだガイドブックを参考にアドベンチャー。と、その前にまずは腹ごしらえを。香港でのランチにはチキンライスが良いと聞いていた。確かにガイドブックにもそう書いてあり、その横には小さな写真ながら丸く盛り上がった黄色い食べ物が載っている。オムライスのようなモノなのだろうか?だとしたらなぜ香港で…不思議に思っていた。お勧めはマンダリンオリエンタルのカフェで食べられるモノだと聞く。マンダリンオリエンタルは展示会場からすぐの場所にあったので、その日は展示会を早めに切り上げて、遅めのランチをそこで取ることにした。

 目指すカフェ・クリッパーラウンジは2階のロフトスペースにあった。到着したのは2時過ぎ、それ以前まではバイキング形式だったのか、スタッフが片づけをしていた。曖昧な時間だったためか、お客さんは少ない。窓際の席に案内され、メニューに目を通すとすぐにチキンライスは見つかった。迷わずそれを注文する。お茶を飲みつつ待つこと5分ほど、大きな黒いプレートに綺麗に配列されたチキンライスなるモノが運ばれてきて驚いた。自分の思っていたオムライスとは違い、チキンとご飯、そしてスープ。蒸し鶏定食という言い方が分かりやすいだろうか。 いい意味で裏切られた。こちらの方が好みのスタイルである。空腹に輪をかけて、食欲をそそる。蒸したモモ肉を黒っぽいソースに付けて口に運ぶ。肉は柔らかい、そしてそのソースの味付けが日本人好みである。オイスターソースのようなしっかりとした味は自然と箸をご飯へ向かわせる。肉が口にあるうちに山型に盛られた茶碗からご飯を口に運ぶ。こちらはハーブを利かせたような薄い味付けでこれもチキンとそのソースにピッタリである。

 その後いろいろ香港料理を試したが、後に先にもこれを超えるモノは無かった。
 個人的香港の三ツ星レストラン。☆☆☆

CLIPPER LOUNGE at Mandarin Oriental Hong Kong

STONE RING2008.09.29 Monday



 お店を一緒に手伝ってくれているスタッフに「どうですか?」と訊ねられた。その日はいつもとは違う薄いピンクのリングをしていて、そのリングのことだった。それは一見子供のころを思い出す、穴の開いたラムネや飴を指に着けた、そんな子供っぽいオモチャのように見えた。答えに詰まりそうだったが、よく見ると、そんな類のものとは違い綺麗にカットされ輝きを放った。手にすると予想に反して、程よい重みがある。プラスチックか?ガラスか?と思ったそれは、天然石なんだと言う。それをまじまじと見ていると、彼女が無造作に袋を取り出し、中には色とりどりのリングが入っていた。リングの重なる音が石だということを物語っているカチカチと心地よい高い音を発していた。返事に少々時間がかかったが「どうですか?」の答えは、もちろん「いいねぇ」となった。

 さらに話を聞くと、それがメーカーの倉庫に眠っているのだと言う。それは是非譲ってもらおうと連絡を取ってもらった。ある人にとっては不要なものでも自分にとっては貴重なモノ、そんな出会いに感謝しつつ、勝手に運命的なものを感じてみたりするのであった。

STONE RING
※ 石はメノウ(瑪瑙)、それらを染めたものです。

Cambodian Silk Check Scarf2008.09.25 Thursday



 DWELL Playmountainで扱っている木のボールや皿などを作っている工房に連れて行ってもらった。その存在は以前から話に聞いていたが、訪れるのは初めてだった。それを工房と書いたが、いわゆる町工場とは違い、障害を抱えた人々が暮らす福祉施設で、そこで障害を抱えた人々と彼らのケアを務める人々が共同でモノ作りをするための木工所なのである。訪れた際にはもう作業の時間が終わってしまい後片付けをしている最中だったが、園長さんの好意で工房を案内してもらえた。作業台にはDWELLで見たモノと同じモノになるだろうボールの作業過程のモノがあった。無垢の木が丸く削り取られている。それは障害を抱えた人がした作業で、そしてそれを職員が綺麗に仕上げるのだと言う。それを聞かずに見ていたら、誰か作家の作り過程の木の器のように見えるほどの仕事振りに驚かされる。園長さんの説明によると、障害を抱えた人は何かひとつのことを集中してことに優れているらしい。その話を聞きながら、棟方志功のことが頭を過ぎった。

 以前、ロサンゼルスで出会ったマリアン。友人の紹介で彼女のお店を訪れたのが初めてだった。コンクリート壁の内装とは相反して、黄、緑、紫、赤など、色とりどりの洋服や小物が点々と置かれた店内はまるで都会の中のリゾート。レディース中心のセレクトで、透けるように薄いシルクに細かい手刺繍を施したシャツ、シルク生地を何層も重ねた美しいシルエットのスカートなど、着ることの出来ない自分にとってはそのディテールの素晴らしさに惹かれた。そしてその中で見つけた色彩豊かなスカーフ。こちらもシルク生地を使い、縦糸横糸の具合で今まで見たことのない色の組み合わせのチェックを織っている。マリアンに訊ねると、ほとんどのモノは自分でカンボジアに出向き、そこで現地の人々に織り方や刺繍の仕方などを伝え、現地の素材や色を使って作っているモノなんだと言う。まさにフェアトレードのやり方で、彼女はそれを10年以上前から行っているのだと言う。その活動の素晴らしさにはさらに感銘を受けた。
 初めての訪問であったが、その場で何枚かのスカーフを快く分けてもらい、お店で販売させてもらっている。

 その人(人達)でなくては出来ないこと、その場所でなくては出来ないこと、そんなことを大切にしたい。そんなことを強く思うのである。

Cambodian Silk Check Scarf ¥5,040-

DWELL Playmountain2008.09.22 Monday



 知人が先導してくれている車について鹿児島市内を走っていると西郷隆盛の巨大な銅像が左手に見えてきた。付いて行くことに気を集中していたせいか、それを見た途端に「ここは鹿児島だった。」と我に返る。西郷さんの目の前を右に曲がり、程なく走った先に目指す「DWELL Playmountain」があった。もうすっかり日が落ちてしまっていたが、暗い中に浮かぶ石畳の大きな建物が確認でき、まずはその存在感に驚かされた。

 鹿児島に行った一番の目的は知人が春にオープンしたお店「DWELL Playmountain」を訪れることだった。エントランスの大きな扉を抜けると右に喫茶スペースがあり、その左に雑貨を販売するスペースがあった。展示スペースには東京のPlaymountainでもある見覚えのあるアイテムに混じって、竹篭、木工の器など鹿児島ならではのアイテムが並ぶ。そして同じようにカフェスペースでも鹿児島の菓子やメニューなど、同じく東京の「Tas Yard」とは違ったものが見られた。建物の一番左には大きな階段があり、2階へと続いている。2階に上がる手前には子供服やおもちゃがキュートにお出迎え。そして2階へ上がると3mはあろうかと言う大きな無垢材を石臼に上に載せた立派なテーブルがあり、アフリカのバスケットやキャンバスのバックが所狭しと並ぶ。その奥には長いパイプに洗いの効いたデニムやシャツなどカジュアルな装いにピッタリの洋服たちが掛けられていた。さらに、その1階から吹き抜けになったロフト状の2階の大半部分には家具がディスプレイされ、Playmountainの家具を製作しているFactoryがある鹿児島ならではであろう、ショールームのようになり、その場で注文やカスタムオーダーの相談ができるようになっていた。

 後から知ったことだったが、DWELLとは英語で「住まう」という意味らしい。「衣・食・住」、すべてを通した鹿児島ならではの住まい方は東京に住む自分にとって羨ましい限りである。2階に鎮座した大きなベット、いつかあんなベットが欲しい、後ろ髪を引かれて帰ってきた。

DWELL Playmountain
鹿児島県鹿児島市住吉町7-1

熊本・人吉2008.09.15 Monday



 連休をもらい鹿児島に行っていた。ちょうどロサンゼルスから数人の友人が来ていて、彼らを今年の春故郷である鹿児島にお店を出した知人が案内するというので、それに便乗しない手はない。そんな訳で一路鹿児島空港へ。
 
 彼らより一日遅れて鹿児島に到着した僕はレンタカーを借り、空港で合流することに。そこに現れた年代モノの(1960年代ものらしい)のランドクルーザー。黒い車体に特徴的なバックサイドの湾曲したガラス窓がなんとも美しい。挨拶もそこそこに「とりあえずついて来て。」と言われるがまま、その後姿を見ながら追走する。空港を後にし、すぐさま高速道路に入り、山間の道を進む。ズンズン進むも、なかなか止まる気配がない、それどころか看板には「宮崎」のサインが。そしてさらに「熊本」のサインまで出てきた。さてはて、どこいいくのだろう。そろそろ不安を感じ始めてた矢先、人吉インターの手前でランクルの左ウィンカーが点滅した。
 
 自分の事前情報には熊本ももちろん人吉も入っていなかった。と言うか忘れていたのであった。そこには日本でも指折りの素晴らしい民藝店があると以前に聞いたことあった。人吉の商店街、残念ながらシャッターの閉まったお店が多いのだが、その通りに「魚座」がある。陶器、ガラス、竹細工、紙、日本各地の民藝品を始め、オランダの陶器、アフリカの仮面、アジアの鉄細工などその品揃えは多岐にわたっているいるものの、それだからこそだろう、審美眼のようなものを感じられ、感動する。

 火照った体のまま、次の場所へ徒歩で移動。商店街から反れ、少し進むといい匂いが漂ってきた。ウナギである。旅の始まりには打ってつけのスタミナ食ではないか。老舗なのだろうか、中に入るといかにも古そうな佇まいに、まさしくウナギの寝床のように奥へ奥へと続いている。そしてほぼ突き当たりの一室に案内された。店名の通りウナギ料理だけが並ぶメニューの中から皆王道のうな重を注文し、さらに気を利かせた知人が「骨せん」を注文してくれた。まずはウナギの骨を揚げた「骨せん」が出され、それをつまみに、ビール。と行きたいところだが、ここはお茶で我慢する。骨せんが底をついてどれほど経っただろうか、ゆうに1時間を越えているかと思う。そしてやっとうな重が運ばれてきた。もう腹ペコである。蓋を開けるが早いか、お箸が進む。天然のウナギと言うのがココのひとつの売りらしい。肉厚なウナギはふっくら柔らか、薄い味付けだがウナギ本来の味も助けてか、下の白飯も進む。大げさではなく、今まで食べたウナギの中で一番の味である。待ったかいがあるものだ。

 幸先良い旅の始まりである。

魚座
熊本県人吉市九日町41

うなぎ料理専門の店 うえむら
熊本県人吉市紺屋町129

Tourmaline-トルマリン2008.09.12 Friday



 昔は「デザイン、デザイン!」とオタクとは言わないものの、人が作る(デザインする)モノばかりを追い求めていた。その反動なのか、このところ植物や動物、化石など作為のない美しいモノに惹かれるようになっている。そんな自分の気持ちを察した訳ではないだろうが、何号前かの「BRUTUS」の博物館特集はタイムリーだった。

 雑誌を手にした次の休み、意気揚々と上野へ出かけた。美術館の立ち並ぶ上野公園に入り、園内の看板を頼りに国立科学博物館を目指す。ちょうど夏休みも後半。小学生たちの夏休み研究の追い込み時期と合致したせいだろう、館内は走り回る子供たちとその奇声に満たされていた。彼らと争うように自分も目を真ん丸にしてショーケースを覗き込む。動物や魚の剥製を間近に見て、そのディテールの美しさに魅了され、化石のコーナーでは進化の過程に「なるほど」と関心させられる。そして何より鉱物のコーナーは自分にとって楽しい場所だった。知っている名前の石もカットされたものしか目にしたことがないから、自然のままの荒々しい姿は綺麗という以前に圧倒される迫力があった。そして聞いたことの無い、もちろん目にするのもはじめの石の中にも素晴らしく美しいのモノがあった。そんな石たちを見ながら、綺麗だけではない、亀裂があったり、色が混ざり合ったりと、それぞれに個性のあるのも良いもんだと改めて思うのであった。

 ちょうどそんな折、マーガレットからまとまってトルマリンのネックレスが入荷した。色、表情が多彩なTourmaline(トリマリン)は個性があって好みだと再確認する。

Tourmaline Necklace by Margaret Solow

POOL2008.09.09 Tuesday



 夏休みも終わり、9月になった。この前まで子供たちと競って泳いだプールも静かになった。これからはトンボだけが水上を楽しそうに飛び回るだけだろうか。

 そんなプールを横目に見ながら、平野太呂さんの「POOL」を思い出していた。

White Key Holder2008.08.29 Friday



 数日前にアリス・パークのことを考えていたからだろうか。関係あるかは定かでないが、アリスから荷物が届いた。「いつも何も言わずに送ってくるんだから。。。」そんなふて腐れたような気分に似た心の叫びとは裏腹に、荷物を開ける手はいつも以上に軽快である。

 アリスが初めてキーホルダーを作ったときに白いレザーのものがあった。サンプルだったのだろうか、他のものと比べると極端に薄手のレザーを使ったものだったが、黄色や赤、緑など色鮮やかなラインナップが並ぶ彼女のシリーズの中では新鮮で、気に入ったものだった。そのときに数個仕入れをしたのを覚えているが、それ以来材料の手配が出来なくなってしまったからという理由で、僕らの中でも幻のような存在としていつの間にやら頭の片隅に押しやられていた。

 それが今回、レザーの手配が出来そうだと連絡をもらい、注文し、その再会を楽しみにした心がいつも以上の軽快な開梱になっていた訳である。レザーも他のモノと同様の厚みになって、久しぶりの再会である。僕には白だけちょっと輝いて見える。

Key Holder / Alice Park

P.S. 一緒にSlot WalletCard Caseも入荷しています。

KCRW 89.9FM2008.08.26 Tuesday



 かなり前の話になるが、アリス・パークの車に乗せてもらったときのことである。彼女の家に向かう道すがら、スピーカーからは夜のドライブには打ってつけの心地良いメローな音楽が流れていた。特に聞き覚えのある曲はほとんど無く、クラブのラウンジで流れていそうな類の自分には縁のないものではあったが、アメリカ西海岸、夜、ドライブ、とにかくそのロケーションにはシックリはまっていて、惹きこまれたのである。訊ねると、彼女のお気に入りのFM局らしく、そのFM局を教えてもらった。その後度々訪れるロサンゼルスを自分でドライブするときには好んで周波数を合わせている。

 そんなことを思い出して、インターネットで調べてみたら、インターネットラジオを発見。
 最近ではお店を閉めた後にやり残した仕事をしならが楽しめるようになっている。

KCRW 89.9FM

Funcy Rosecut Diamond2008.08.23 Saturday



 立て続けにふたりの知人がサンタフェに行っていたことを知った。ニューメキシコ州サンタフェである。僕も一度行ったことがあるが、もう一度リベンジしたい場所でもある。サンタフェ郊外に画家のジョージア・オキーフの自邸があり、前回行ったときにはそこに訪れることがひとつの目的だった。しかし行き当たりばったりのため、予約が必要だったことを知らず、行き着いたものの、高い塀の外から眺めるに終わった苦い思い出があるからである。

 オキーフの夫であり、写真家のアルフレッド・スティーグリッツが撮りためたオキーフの写真集がある。若かりし頃から始まり、ページを進めるにしたがって徐々に歳を重ねていく、それはさながら彼女のアルバムのようである。若い頃には初々しい可憐な女性で、歳を重ねると次第に皺や弛みが出るもそれはまた深みや酷を増したスープのように味わいのある美しさに変化しているように映る。それを見る限り彼女は素敵な女性だったに違いないと確信に近いようなものを感じている。

 ちょうど出来上がってきたダイヤモンドのイヤリングを見ながら、これもダイヤに傷があったり、手仕事の跡が感じられたりと、人間味や自然らしさを感じられる。恐れ多いものの、ちょっとはオキーフのような味わい深いモノになっているかなぁと思い巡らせていた。

Funcy Rosecut Diamond Hanging Earrings