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Antique French Glass2008.11.15 Saturday



 コペンハーゲンの「ATERIER SEPTEMBER」で窓越しに覗いたショーウィンドには幾つかのクリアなワイングラスと同じくクリアなカラフェが置かれ、その奥にいかにも古そうなユラユラとしたガラスでその中にわずかに気泡の見えるアンバー色のグラスがあった。時代を感じるその姿に見とれ、手を伸ばしかけたが、前にも書いたように生憎の定休日、写真だけ撮らせてもらいアルバムにしまったつもりだった。

 それから10日、あっという間のヨーロッパ遠征も終わり、いよいよ帰国の日となった。トランジットのためベルリンからコペンハーゲンの空港に降り立った。帰国の便までには5時間ほどあったのでチェックインまでの3時間ほどは自由な時間ということになる。さあ、どうする。ヨーロッパの買い付けに慣れている友人がマルメに行こうと提案してくれた。コペンーハーゲンにも「ATERIER SEPTEMBER」をはじめ気にかかる場所は幾つかあるものの、新しい土地に惹かれる。迷う理由はなかった。国境を越えた街、スウェーデンのマルメに行くことにした。見知らぬ街での3時間とは地に足が付かないであろうが、今回は強い味方がいる。すべてを委ね、前を行く友人の背中について小雨の舞う中、アンティークショップ巡った。予め空にしてきた小ぶりなスーツケースを引きずりながら、小さな町をぐるりと円を描くように巡る。何か見つけてはそのスーツケースに掘り込む。そのスーツケースがいっぱいになったらおしまい。そんなシンプルな最後の買い付けだった。幸運にも一番初めに訪れたお店で探していたモノを大量に見つけ、もうスーツケースはほぼ埋まってしまった。しかしその後は幾つかのお店を回るも目ぼしいものに出会うことはなかった。そして最後のお店、ここでも欲しいものはなかった。スーツケースにはわずかの隙間、そして時間も余った。店を出るとその隣にあったのちょっと冴えない雰囲気のアンティークショップがあったので入ってみることした。すると、10日前に「ATERIER SEPTEMBER」で見たのと似たアンバーのガラスを発見。こちらの方が気泡が沢山入っているが、ユラユラとしたガラスの質感やその姿には同じように惹かれるものがあった。店主に尋ねるとフランスのアンティークだという。グラス6個と他の器いくつがセットらしいが、他の器はあまり好み出なかったし、スーツケースにも納まりそうにない。半ば強引にグラスだけでと頼み込み、グラスだけで譲ってもらい、いっぱいになったスーツケースとともにコペンハーゲン空港に戻った。

 日本に戻って、ノスタルジーを楽しむように窓越しから6つのグラスの写真を撮ってみた。これも一緒のアルバムにしまっておこうと思う。

Antique French Glass ¥2,100-

Tourmaline Necklace2008.11.11 Tuesday



 夏にマーガレットに会っていろいろと石を見せてもらった。その中でワインを想わせる濃い赤が印象的な石、ガーネットが気に入った。特に個人的にはつるっとしたカボション(Smooth Stone)が好みである。輝きは控えめながら、石本来の色が感じられ、惹かれた。ファセット(Faceted Stone)も含め、「今度はコレで作ってみよう」そんな話をしたのだった。そのときは生憎マーガレットも手持ちがなかったようで、その後仕入をしてくれ、それらがやっと届いた。時間がかかってしまったが、ちょうどこんな季節で良かったかもしれないとも思う。

Smooth Stone Necklace
Faceted Stone Necklace

 届いた荷物の中には毎度の楽しみのひとつ、トルマリンが幾つか含まれている。袋をバサッと開けるとピンクとグリーンを中心にそれ以外の曖昧な色のモノも含まれている。透明感があって綺麗なモノ、グラデーションしているモノ、模様のようなものが見えるモノなど、コチラは個性が強い。悩みながら10点選んで写真を撮った。

Tourmaline Necklace

Atelier September2008.11.09 Sunday



 デンマーク2日目、前日のどんよりとした雲は消え、この季節では珍しくすっきりと晴れ渡った空だった。そしてその晴天に背中を押されるようにコペンハーゲンの街へ繰り出した。 その前日、旅の前にデンマークのハーフであるLenaから紹介してもらっていたコペンハーゲンで暮らす友人夫婦と会って、一緒に食事をしていた。彼らとは共通する趣味も多く、初めて会ったとは思えないほど親しくなった。そしてその場で持ち合わせていたマップにお勧めのお店をマーキングでしてもらった。そのマップを頼りにジュエリーショップ、ギャラリー、インテリアショップ、ミュージアムなどマップ上をホテルから近い順で最短距離で進むことにした。前日に趣味が近いと思っていた彼らのセレクトはばっちりツボを付いており、次へ次へと期待を膨らませつつ先を急がせた。そしてその道中に見つけた面白そうなお店に立ち寄るのも知らない街を歩く醍醐味として楽しんだ。その中のひとつ、お勧めのジュエリーショップの隣にあったアンティークショップが素晴らしかった。いや、素晴らしかったであろう、という表現が正しい。その日は生憎、定休日。窓から覗くだけにとどまってしまったが、朽ちたテーブルやミラー、凛とした空気の漂う素朴なガラスの花器、それらにミッドセンチュリーの家具をさらりと合わせて、センスの光るお店だっただけに後悔が残る。実際に訪れることが出来なかったせいもあるだろうか、今回のコペンハーゲンでナンバーワンのお店として挙げたい。

 日本に戻ってマップを作ってくれた友人夫婦にお礼のメールとともにそのことを伝えると、そのお店はコペンハーゲンで初めてフランスのアンティークを扱い始めたパイオニア的な場所だという返事だった。そんなことを聞いたら益々後悔が膨れ上がるではないか。お店の外から撮った写真とにらめっこを繰り返すが、まぁ、もう一度デンマークに行く理由がひとつ増えたと思ったら期待が後悔を消してくれた。

ATERIER SEPTEMBER
GOTHERGATE 30 / DK-1123 COPENHAGEN

Round Chain Bracelet2008.11.04 Tuesday



 金の輪っかが規則的に連なるその姿にはキラリと光る石がついている訳ではないので派手さは少ない、また艶を控えめにした仕上げには色彩や色気も乏しい。あーだのこーだの知恵を絞ってショーケースに並べてみるものの、隣で輝くダイヤモンドに比べたら、お世辞にも煌びやかとは言いがたい。

 一緒に働くスタッフのひとりは好んでチェーンリングをしてくれている。男の自分としては着けれないモノなのであれこれと感想を求める。彼女の「生の声」によると着け心地が良く、使いやすいのだと言う。確かにその言葉どおり、それをいつも右手の薬指に付け、ある日はそれだけでシンプルに、または日替わりで他の指輪と組み合わせて、いろいろと楽しんでいるようである。存在感は控えめなのかもしれないが、ちゃんと仕事をする。夏はさらりと1枚で、秋になったら襟元からチラリと顔を出し、冬になったら快適な心地良さと暖かさを逃さない防寒に、それはまるで着まわし上手なカットソーのような存在なのかもしれないとダブって思えてくる。だとしたら、、、さっきまで雲って見えた金の輪っかが輝いて見えてくる自分の目を信じてもいいだろうか。少々大げさな表現かもしれないが、そんな存在であってほしいと願っている気持ちはそれ以上である。

 香港での展示会でひとまわり大きなラウンドのチェーンを見つけた。これはブレスレットにするのに良さそうだと思い、分けてもらった。日本に戻り、やっぱりインドのS字型のフックと繋いでシンプルなブレスレットに、そして丸いパーツを中央につけたモノとを合わせて作ってもらった。リングと一緒に、ブレスレットだけででも、もちろんお持ちのお気に入りアイテムなどと、自由に楽しんでもらえると嬉しい。

Round Chain Bracelet
Round Chain with Charm Bracelet

Round Chain Ring

German Bicycle2008.11.02 Sunday



 ドイツと言えばMercedes-Benz、BMWなどがあるが、黄色いコイツも凄いメカに違いない。
 繁華街のど真ん中に堂々と鎮座していた。

Palais Royal2008.10.31 Friday



 パリから友人に電話をかけてみた。その友人は転勤でロンドンに行き、ちょうど僕がパリにいるときに彼もパリに出張で来ていると聞いていたからである。日本ではなかなか会えない、いやそう思い込んでいるだけだが、、、さらに会おうと思えばロンドンで会えたであろうに、わざわざパリでなんて、少々複雑な気分ではあったが旅先では無性に友達が恋しくなるのか、定かではないが電話の声に心休まれたのは事実である。

 とにかく分かりやすい場所でということでルーブル美術館で待ち合わせをし、久しぶりの再会を果たす。お互いに夕方までの2時間ほどは予定が無かったので近くでお茶でもしようということになった。このエリアは前日に来たエリアだった。昨日ランチの候補になったがスケジュールの都合もあり断念した素敵なカフェのことが忘れられ無かったのでそこに行こうと誘った。ルーブルから北へ少し進んだ先、パレ・ロワイヤルの庭園の中にあるカフェである。庭園に入ると中央には大きな噴水があり、その日は土曜日だったこともあってか家族連れでにぎわっていた。庭園をぐるりと囲うように古い建物が建ち、昔からあるようなアンティークショップや事務所、カフェやレストランに混じってピエール・アルディ、マーク・ジェイコブスなどのオシャレなショップが軒を連ねる。新旧が混ざり、外の喧騒から隔離され、ゆっくりとした時間が流れるそんな雰囲気がなによりも心地よかった。そんな環境の中、久しぶりの友人との話は尽きることがない。話は盛り上がり「もしパリにお店を持てるとしたらココだ」と大きな事を言ったりしてみた。そこで飲んだカフェラテは何割か増しで美味かった気がしている。

 時間になって友人はユーロスターに乗ってロンドンに戻らなくていけない。近くの駅までおくり、またどこかでの再会を誓う。そして僕はもう一度パレ・ロワイヤルを堪能するために戻った。いつか出せるだろうか?SOURCE at Palais Royal。空想だけが先走っている。

Cranberry Earrings2008.10.28 Tuesday



 美しいモノに惹かれるのと同様に、それが自分の知っているモノや想像できるモノに見えたりすると急に親近感を感じてしまうのである。
 
 植物のツタからぶら下がった果実のように見える、そんなイヤリング。クランベリーのような濃いピンク色はルビー、帽子を被ったようなその出で立ちはキュートという言葉が良く似合う。

Cranberry Earrings

Paris2008.10.24 Friday



 コペンハーゲン、ロンドン、パリ、ベルリン、そして最後にほんの少しだけ国境の町マルメ(スウェーデン)へ。2週間の旅はこうして書き綴っただけでも前菜からデザートまでのフルコース、まるでそんな旅だった。日本に戻った今、そう思い返している。

 今回は北欧を中心に古いモノを買い付けに行く友人とパリまでを一緒に巡った。男ふたり旅である。北欧を縄張にする友人、そしてパリ初体験の自分。仕事もあるのだが、要所要所での観光気分を味わいたいと思うのは当然であろう。友人が事前に調べてくれたいた美術館musee de quai Branly(ケ・ブランリ美術館)で民藝を題材にした特別展がやっていると聞いていた。現地でさらに調べてみるとちょうどその日は夜9時までオープンしていることが分かった。午後6時にはほとんどのお店が閉まってしまうパリなので、その後空いた時間を使って行って見ることにした。地下鉄を乗り継いで目的の駅の出口を出た途端予想もしていない光景にため息が出た。地上に出てみると目の前にはセーヌ川に陽が沈もうとしており、微かな光りがエッフェル塔を照らしていた。旅の前に別の友人にパリへ行くと話したときに、「仕事で行く場所じゃない」と一喝されたのを思い出した。なんともロマンティックなパリスだろうか。隣のカップルたちに負けずとちゃっかりお互いの記念写真を取り合ってから美術館に向かった。

 本題の美術館はというと、特別展以上に2階部分の常設展が素晴らしかった。世界各国の民芸品が広い会場にかなりの数量で展示されている。閉館が近かったこともあったのでじっくりは見れなかったが十分堪能した。ゆっくり見れないかもしれないが、行くならば夕方がお勧めである。なるべく男女で。

Face To Face2008.10.16 Thursday



 気がつけばお店を始めて3年が過ぎ、4年目に入っている。昔を振り返るとお店を始めた当初は本も扱っていたのを思い出す。その頃取り扱っていた本の中に「Face To Face」というタイトルのものがあり、強く印象に残っている。それはある写真家(名前までは覚えていない)が顔でないのに顔に見えるものを撮りため、集めた本である。それを知ったきっかけはペンタグラムというデザイングループが作っていた「Pentagram Papers」というフリーペーパーのようなモノのひとつの号で特集されていたのを見かけたからだった。確か自分の本棚にも1冊あった気がするが、このところページを開いていない。

 突然だが、ロンドンに来ている。レストランのトイレで手を洗おうとし、蛇口に手をかけようとしたとき、その蛇口が顔に見えた。濡れた手を急いで拭い、席に戻りカメラを手にして再びトイレに駆け込んだ。ロンドンに住んでいる人にはそれが顔に映るかは定かではないが、自分にとっては明らかに顔でしかなかった。ここロンドンでロンドンの住人には何気ないモノ、でも自分には特別なモノ、そんな出会いに恵まれることを願いつつ、街を巡っている。

 戻ったら本棚の「Face To Face」をもう一度じっくり見たいと思っている。

STONE BOWL2008.10.07 Tuesday



 お店をしている自分には何人かの師匠と呼べる人物がいる。そんな師匠との出会いがあって、助けがあって、お店ができていると言ったほうが正しいだろう。その中のひとり、ロサンゼルスの師匠とはアメリカで日本で度々会う機会に恵まれている。今年のはじめにアリゾナ州・ツーソンでも会った。
 前にもココで書いたが、ツーソンでは年に1度、巨大なジュエリーの展示会が開催されている。僕らはその展示会に行くのが目的だった。会場を縦横無尽に歩きながら尽きない近況報告をする。しかしお互いに目はあっちへこっちへ、何か目に留まるものはないかと話半分で真剣そのもの。そんな中師匠が見つけたクリスタルのボール。無色透明の塊はクリスタルならではの荒々しい亀裂が入り、緩やかな曲線を描くようにカットされ、なんとなくボールのように見える塊といった様子だった。それらを手に取りながら「これはアレクサンドレ・ノルのようだ」とか「こっちは北欧の陶器のようだ」とか物色していた。確かに美しかったがここから日本に持ち帰る、または送ることを考えると尻が重い。日本で探してみようと思い、結局その場では師匠が全てを買っていった。
 日本に戻ってからもやっぱりあれは良かったなぁと後悔に近い感情を持っていたものの、まあ日本でも探せるだろうと高をくくっていた。いざ探してみると綺麗に真ん丸に削りだされたボールはあっても、あの美しい有機的なカタチのものは見当たらない。無いと分かると尚のこと後悔が強まるものである。

 それで、いざ!との想いで乗り込んだ香港。自分の頭の中に書いてきた探しているものリストの中でも上位に入っていたアイテム。そしてやっと見つけた。ツーソンで見たものよりは小さいものの、北欧の陶器のように波打つ曲線がなんとも美しいクリスタルのボールである。一緒にあったフローライトのものとあわせてすべて譲ってもらった。

Purple Flourite Bowl ¥6,300-
Blue Flourite Bowl ¥5,250-
Crystal Bowl ¥8,400-